白鳥と男

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村人達から仲間外れにされた男が独り。森の奥に住んでいた。男は今日も水を汲みに湖までやって来た。霧がかかった湖面に白鳥が一羽舞い降りた。幻想的な景色がそこにあった。
男は白鳥がいる。その景色を眺めているだけで満足だった。だが次第にそれだけでは飽き足らなくなった。餌をあげて白鳥と仲良くなりたくなった。
「ほら。お食べ」
プイと食べずに警戒していた白鳥は、男に餌をもらうようになった。だが次第にもっと美味しい餌をほしがるようになり餌を食べなくなってしまった。
わがままになってしまった白鳥に男はオロオロした。次第に不満が募り、餌を拒否して暴れる白鳥に強引に食べさせようとした。突然、白鳥は動かなくなり、男はとんでもないことをしてしまったことを理解した。
「ごめんよ。ごめんよ」という男の声が、空しく湖に溶けていった。
ファンタジー
公開:21/03/26 23:31
更新:21/05/09 21:51
白鳥 童話 絵本

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

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