CHILD

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 前方から無垢な女の子が走ってきた。Tシャツの胸にはCHILDと書かれていた。大学を卒業して僕は孤独になった。しばらく精神を病み入院した。そしてあっという間に三十路を迎えた。他人と関わるのが怖くなったりもした。そんなときだCHILDと書かれたTシャツの無垢な女の子に出会ったのは。僕は彼女と出会って霧が晴れたような気がした。それからは他人との関わりがそれほど怖くなくなった。
 僕は大学時代の仲間と草野球チームを結成した。背番号は4、ポジションはキャッチャーだ。大学時代、僕は声が小さいと罵られたりもした。だが監督は我慢して使ってくれた。そして徐々に信頼を勝ち取り僕の声が普通であるという風に仕向けることが出来た。だがそんな僕を快く思わない連中もいた。僕はその勢力とのせめぎあいも強いられるようになった。でも4年間を乗り切った。そして数々の勝利に貢献できたと自負しているがそれで燃え尽きた感があった。
その他
公開:21/03/26 03:17
更新:21/04/08 12:22

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