Ⅰ.041 ペルビエの攻防~舞台~

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 王立リナーラ美術館は、規模で言えば中程度の施設であり、管理も王族関係者でなくキュフェナ区の役員であることから、国家資産というよりも、公共施設の印象が強い。
 築歴も短く、内装も全階が同じ構造のトラメッジ方式を用いた比較的簡素な造りである。
 定期的に企画展などを催しているが、一番盛況となるのは、近隣の学校が社会科見学で訪れる時ぐらいで、希少性の高い展示品も多くはない。
 まぁ、言ってしまえば。
 非常に守り甲斐のない場所である。
 その点においては、怪盗側にも同様のはずだろう。
 標的となった黄石の蜂は、そこそこの珍品であるとは言えるが、それでもこの緊張感に欠けた舞台設定に対する疑問を払拭するには至らなかった。
 それが払われたのは、舞台に直接出向き、その袖にあの迷宮への入り口があることに気づいた時であった。
「あの野郎…」
 その際、主人が漏らしたこの言葉は今でも覚えている。
ファンタジー
公開:21/03/25 22:48
ファンタジー 連載 怪盗 探偵

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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