口裂警部

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「今日こそ白状してもらうからな!」
目の前の刑事は凄みながら俺に言う。ふん!誰が白状するものか!
「口裂警部、お入りください」
刑事が呼び込んだのはマスク姿の美しい女。
「へぇ…あんたが俺を取り調べてくれるのか?そりゃ、白状しちまうかもな。もう喉元まで出かかってるよ」
俺の軽口に女はにこりと笑う。そして、マスクに手をかける。
女の素顔を見て、俺は己の口を裂けんばかりに開いて悲鳴を上げた。
それを見た女は俺の口に細腕を突っ込む。そして何かを探るように俺の腹の中をまさぐり始めた。
あまりの苦しさに俺は涙を流し、女が腕を引き抜いたと同時に「吐く!全部白状するからもう許してくれ!」と懇願した。
まさか、喉元まで出かかった白状を本当に引っ張り出そうとする奴がいるとは思わなかった。腹の中まで探られるとは思わなかった。
ん?女の素顔はどんなだったって?
馬鹿野郎!そんな事、口が裂けても言えねぇよ!
ホラー
公開:21/03/24 13:16
3月23日投稿するはずだった…

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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