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今、女子の中で突然の占いブームが到来している。
毎朝誰かが持ってきた雑誌を皆で覗き込んではラッキーカラーを含んだアイテムを貸し借りする。
女子って占い好きだな~、と他人事のようにそれを眺めていた。
「あなたも占えばいいのに」
親友に言われた。
「いや、別に占いに興味ないし…」
「占いに興味なくても、彼には興味あるでしょ」
親友が指さす先には教室の隅で本を読む物静かな男子生徒。同じ図書委員で、片思いの相手である。
親友が私に星占いの本を渡してきた。
「それ、貸してあげる。『星占いしてあげる』って言って誕生日くらい聞いてきなさい」
確かに今の教室の空気なら自然に言えそうだ。策士の親友にお礼を言うとさっそく実行してみた。
「女子って、占いが好きだよね」
彼は呆れたようにそう言って私に誕生日を教えてくれた。
ん?その生年月日って確か今日恋愛運最高だったような…
彼は顔を赤くして私から目を逸らした。
青春
公開:21/03/24 13:15
3月23日投稿するはずだった…

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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