ピアスの穴
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由紀はつい最近彼と別れた。
心配した親友が電話をくれた。夜明けまで話をした。そして話終わると、何気なく由紀は「気分転換に何かしようかな…髪切るとか」と言ってみた。
すると「それよりピアス開けてみたら?」と親友は言った。
次の日、さっそく由紀はピアスを開けた。 自分の体に、初めて『穴』を開けたのだ。多少緊張したが思ったほど痛くはなかった。 由紀は鏡を見ながら、ファーストピアスを外した。血はもう出ていなかった。
左右に、ポツンと小さな穴が開いている。
よく見ようと鏡に近づいて右の穴を見ていたら、どんどんどんどん穴の向こうの景色がはっきり見えてきて、そしてそこには自分がいた。
傍らには優しそうな男性、その隣には自分がいて幸せそうに笑っていた。
試しに左も見た。 そこにはチャラい、服装も性格もだらしない元カレと泣いている自分がいた。
由紀は左の穴に少しだけ力を込めて、ピアスを刺した。
心配した親友が電話をくれた。夜明けまで話をした。そして話終わると、何気なく由紀は「気分転換に何かしようかな…髪切るとか」と言ってみた。
すると「それよりピアス開けてみたら?」と親友は言った。
次の日、さっそく由紀はピアスを開けた。 自分の体に、初めて『穴』を開けたのだ。多少緊張したが思ったほど痛くはなかった。 由紀は鏡を見ながら、ファーストピアスを外した。血はもう出ていなかった。
左右に、ポツンと小さな穴が開いている。
よく見ようと鏡に近づいて右の穴を見ていたら、どんどんどんどん穴の向こうの景色がはっきり見えてきて、そしてそこには自分がいた。
傍らには優しそうな男性、その隣には自分がいて幸せそうに笑っていた。
試しに左も見た。 そこにはチャラい、服装も性格もだらしない元カレと泣いている自分がいた。
由紀は左の穴に少しだけ力を込めて、ピアスを刺した。
その他
公開:21/03/24 11:50
書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。
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