開かずの間

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さと子は新任の教師だ。 教員免許を取得し、いよいよ赴任する学校が決まるとなった時、さと子はまさか自分がこんな田舎の学校へ行かされるとは思ってみなかった。

 しかもこの学校、来年には廃校になるという。校舎もずいぶん年季がはいっていて、建て替えよりも統合した方が良いという上の判断らしかった。

 確かに、冬はあちこちからすきま風が入り、床板も至るところがたわんでおり、子供達が踏み抜いた穴もある。

 それに…何よりさと子が恐ろしいのは、この学校には防犯対策などなく、何かあった時のため、廃校の日までは、日替わりで教師が宿直するということだった。 その昔、痛ましい事故があったからだと説明された。

 だが、さと子は真相を知っている。『開かずの間』と言われるところから毎日同じ時間に出てくる一人の男の子が教えてくれた。

彼はいつもさと子に尋ねる。

「僕を閉じ込めた先生はどこですか?」
ホラー
公開:21/03/25 00:33

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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