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「僕の将来を占って下さい!」
目の前の少年は私の前に大量のノートを置いた。
『えっと…これは?』
「僕の将来設計ノートです。僕、自分で言うのもなんですが成績優秀・運動神経抜群で、周りも僕が望めば何にでもなれるって言うものだから迷ってしまって…」
成程、そう言う事か。
『少し時間がかかるけどいいかな?』
「構いません。よろしくお願いします」
少年は前金を置くと店を出ていった。
さて…頼られたからには頑張るか。私はお客さんがいない時間、ノートを読み込んでは占っていく。本人の言う通り、どの将来でも成功しそうだ。
しかしその先にあるのは大人になった少年のつまらなそうな顔。
どうしたものか…と、ふとある将来を思いつき、私はそれを占った。

後日、少年を呼び出した私は占いの結果を告げる。
『私が占った中で君が一番輝いていた将来は小説家だったよ。どう?君が書いたこの将来設計ノート、作品として売らない?』
公開:21/03/24 20:43

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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