生専門店

「いらっしゃい。ウチは生専門店。生と名のつくものなら何だって取り扱っているよ。
生麦生米生卵。生肉生魚生野菜。生ビールに生ワインに生ハムに生チョコレート。
生コンクリート、ナマケモノ、生牡蠣。生足、生腕、生首だってあるさ。
今話題なのは羽生結弦選手のサイン色紙。勿論、本物だよ。他にも生瀬勝久さんや生駒里奈さんのサインもある。そんな彼らを生で見られるチケットだって取り寄せ可能だ。なんたってウチは生専門店だからね」

『ではそのご自慢の生を早速一つ頂こうか。”生娘”を頼む。生専門店なんだろ？あるんだよな？』

「ええ、勿論。お客様のようなゲスで下品で品性の欠片もない最低な方がよく注文されます。でもいいんですか？お客様の今のご様子、生放送でYouTubeに上がっていますよ？」

『貴様！それが客に対する態度か！』

「お生憎様。生専門店なもので、私の生意気な態度もまた、この店のウリなのですよ」