恐怖の血液検査

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勇は健康診断で病院に来ていた。
次は血液検査を受けるため、看護師から指定された部屋へ向かうと、腕に包帯を巻いた人が部屋から出てきた。
顔を歪めながら腕を押さえている。
「ぎゃあああ!」
部屋の中から叫び声が聞こえてきた。
「…な、なんだ?」
勇の頬に冷や汗が伝う。
”今回はボランティアの方々に協力してもらいました”
と書かれた貼り紙が入口に貼ってあった。
「次の方どうぞ」
勇は呼ばれたので、恐る恐る部屋に入る。
「美味であった。いや、問題なし」
部屋に入ると不気味な声が聞こえた。
中は薄暗い。
奥に進み、椅子に座ると左右にロウソクが立てられている。
目の前には、口から血を垂らした男が座っていた。
「悪い、満腹だ」
男は立ち上がり、隣の部屋へ姿を消した。
「やっと俺の番か、待ったぜ」
別の男が現れ、椅子に座った。
男は歯を光らせながら、勇を見て微笑んだ。
ボランティアの正体は、吸血鬼だった。
その他
公開:21/03/21 22:10

たーくん。( 関西 )

ショートショートが好きで登録させてもらいました。
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