音符燕

0
2

かつて電線で空が覆いつくされるほどの町があった。どこからかやってきた春の使者の燕たちが、電線にとまった景色は日常になった。不思議なことに五線譜のように張り巡らされた電線とリンクし、燕たちがとまっている位置は、ドレミファソラシドの音階と一致していた。燕たちは共鳴し音楽を奏で、歌声を響かせ合唱を披露した。人々も音楽を楽しみ、燕たちとセッションやコラボを楽しんだ。
燕の学校は電線の上
そっと見上げて みてごらん
そっと見上げて みてごらん
みんなで わちゃわちゃしているよ
燕の合唱は電線の町
そっと見上げて みてごらん
そっと見上げて みてごらん
みんなで 楽しく歌ってる
時代が移ろい次第に電線は姿を消し、音符燕と呼ばれた燕たちも姿を消していった。今もどこかへ渡って、暮らしているかもしれない。
ファンタジー
公開:21/03/21 09:25
更新:21/05/09 21:57
電線 音符 ツバメ つばめ 合唱 音楽

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容