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彼女が亡くなったことを知らない誰かの中では、
まだ、彼女は生きているのだ。
知らない誰かの中では、
まだ、彼女は乾燥した唇を気遣いながら笑っていて。
まだ、彼女は代々木公園で歌っていて。
知らない誰かになって、
こんなくすんだ赤い糸だらけの六畳一間を抜け出したいと思った。
まだ、彼女は生きているのだ。
知らない誰かの中では、
まだ、彼女は乾燥した唇を気遣いながら笑っていて。
まだ、彼女は代々木公園で歌っていて。
知らない誰かになって、
こんなくすんだ赤い糸だらけの六畳一間を抜け出したいと思った。
その他
公開:21/04/21 14:00
ツイノベ
140字小説
文芸サークル『感傷リップループ』主宰。
小説、脚本、短歌、ツイノベなどを執筆しています。
主に文学フリマ、テキレボが生息地。
毎日13時にツイノベ(140字小説)を5作載せる予定です。
【note】(雑記、創作関係)
http://note.mu/akisuke0825
【エブリスタ】(小説)
https://estar.jp/users/246758086
【カクヨム】(小説)
https://kakuyomu.jp/users/akinoaki
【はりこのトラの穴】(脚本)
http://www.haritora.net/script.cgi?writer=4280
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