#276 無題(5).docx

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公園の蛇口に笹舟が置かれていた。
蛇口から水を出して、窪んだ水皿の中でどこにも行けない笹舟を揺らす。
あの日の記憶も彼女との思い出も、どこにも流れることができずに、
笹舟と同じように僕も公園で揺らいでいた。
橙に染まった観覧車を見上げる。
誰かの歌う声がした。夏が終わる。
その他
公開:21/04/21 13:00
ツイノベ 140字小説

秋助( 言葉のどこか )

文芸サークル『感傷リップループ』主宰。
小説、脚本、短歌、ツイノベなどを執筆しています。

主に文学フリマ、テキレボが生息地。
毎日13時にツイノベ(140字小説)を5作載せる予定です。

【note】(雑記、創作関係)
http://note.mu/akisuke0825

【エブリスタ】(小説)
https://estar.jp/users/246758086

【カクヨム】(小説)
https://kakuyomu.jp/users/akinoaki

【はりこのトラの穴】(脚本)
http://www.haritora.net/script.cgi?writer=4280

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