綺麗になれる

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古い館がある。扉には、「綺麗になれます」と張り紙がされている。噂の館はここで間違いない。
昔から自分の顔が嫌いだった。この顔のせいで、みんなにバカにされる。
ごくりと唾を飲み込んで、私は館の扉を開いた。重そうな扉は、簡単に開く。
「ごめんください…」
「あら、いらっしゃい」
「わ…」
入ってすぐ、上品な女性が出迎えてくれた。すべすべのお肌はまるで上質な真珠のよう。一体幾つなんだろう。思わず見蕩れてしまう。すると、女性はくすくすと笑った
「ここに来たということは、何か悩みがあるのね。良ければ聞くわ」
「あ、ありがとうございます…」
そのまま彼女に連れられて奥へ。

まさか、もう外に出られないなんて、思わなかった。



「見た目はどうあれ、若い子のエキスは必要なのよ。私が美しくある為に。…ちゃんと張り紙をしてあるのに。みんな私の元に来てくれるなんて馬鹿な子達ね」

私が、綺麗になれますって。
ホラー
公開:21/03/19 12:50
更新:21/03/20 10:16

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