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子供以上に歳の離れた若者の担当者に私はI4Dの手ほどきを受けていた。
今となってはどんな仕事や各種申請にもI4Dが必須となっているようだ。
「ゲイズを波に合わせて、インテレストしてください」
「ゲ…?ここの上にあてたらいいんだな」
私は手のひらに指をあてがった。
「違いますよ。パトスに合わせてゲイズを動かすんです」
担当者は微かに鼻で笑った。
やっとのこと申請を実行したが指先が震えた。エラーらしい。
「くそ、分からない。申し訳ないがオンラインでの申請は出来ませんか?」
「今はネオパトスでの申請のみでオンラインは廃止されたんですよ」
もう何年も前に。と侮蔑の響きを感じた。
「もう一度最初からやり直してください。郷愁固定に気をつけて」
そう言って担当者は去り、1人残されてしまった。

そうか、あの頃と同じだ。
私も若かりし頃、散々バカにしていた。
パソコンを理解できない年長者を。
SF
公開:21/03/19 12:37

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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