月見花

12
7

「眠れないわ、またあのお話しして」
お月様が天に昇る間だけ花がひらくので、月見花と言われるものがある。
煌々と輝く月明かりの下で、月色の花が咲き誇っていて、それはそれは綺麗だと爺やは言った。
太陽が昇る時には咲かないのは、花芯に陽があたると花が駄目になってしまうからである。日中は花が蕾になって、それを守るのだとか。
「見てきていいの?」
「不思議な事象に人は思いを馳せるものでございます。どうか月見花の蜜を吸うこがねいろの蝶々には気をつけてくださいまし」
その蝶々は月の明かりをもち、暗やみをひらひらと舞い人々を惑わせる。夢を見せるというが、信じられないものを見たと彼らはぞめく。
それは過去であり、未来であり、この星の歴史。月がずっと見守ってきた全てではないかと言われた。
どうか、どうか早くきて。あなたに見てほしいの。
蝶々が歌っている闇夜。
ファンタジー
公開:21/03/18 05:06
更新:21/03/18 05:05

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容