おぱんつ

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仕事から帰ってシャワーを浴びるために桜柄の全身タイツを脱いでいると、ゆうべ穿いたパンツとは違うパンツを穿いているのに気がついた。
誰かが私の寝ている間にパンツを替えたか、あるいは私が仕事をしている間に誰かが替えたか、それしか考えられない。
シャワーはいつも夜だし、昨日から今日にかけて、ほかにタイツを脱ぐ機会はなかった。
最後にトイレに行ったのは職場を出る直前で、そのとき違和感はなかったから、まだゆうべのパンツを穿いていたように思う。
いつの間にかパンツが穿き替わっているのは不可解なことだけど、私がいま震えるほどに恐ろしいは、このパンツが私のパンツではないということだ。赤い。信じられないほどに赤い。それは燃えるような曼珠沙華の赤で、鏡に映る自分のエレガントが凄い。
私は警察に電話をした。
転送された電話の向こう口にはなぜか片言のオペレーターがいて、おパンツあるよ、と、それだけ繰り返していた。
公開:21/03/16 16:07

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