#242 五十二ヘルツの鯨(百景92番)

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いつからだろう。私の瞳の中には海が生まれていた。
目をつむるとザザン、ザザンと波の音が聞こえて、
頭のどこかでは姿の見えない鯨が鳴いた。
眼球は常に下向きで青白さが滲む。五十二ヘルツの鯨と同じだ。
誰にも気付かれず、誰からも見つけてもらえないまま、
私は、涙の代わりに海水が流れた。
ファンタジー
公開:21/04/14 14:00
ツイノベ 140字小説 超短編 百人一首

秋助( 言葉のどこか )

文芸サークル『感傷リップループ』主宰。
小説、脚本、短歌、ツイノベなどを執筆しています。

主に文学フリマ、テキレボが生息地。
毎日13時にツイノベ(140字小説)を5作載せる予定です。

【note】(雑記、創作関係)
http://note.mu/akisuke0825

【エブリスタ】(小説)
https://estar.jp/users/246758086

【カクヨム】(小説)
https://kakuyomu.jp/users/akinoaki

【はりこのトラの穴】(脚本)
http://www.haritora.net/script.cgi?writer=4280

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