並走中
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夕刻時。青いJR電車が走る。
並行区間で橙色の電車が同じ方向に向かって、両電車が抜きつ抜かれつ並走している。
青い電車内のドア脇に立つユミが文庫本を読んでいる。ユミがふと目を上げると、並走中の電車のドア脇に立っている若い男性と目が合う。眼鏡男子。彼も文庫本を読んでいる。
あれ?彼、最近もあの線に乗ってるの見たよ。そのときも文庫本読んでた。たしか。
偶然、彼はカバーを外して表紙をこちらに向ける。ユミもカバーをはずして表紙を見せる。彼は伏し目がちに微笑む。ユミはふいに目をそらす。
眼鏡男子の電車は速度を上げて急いで去る。
見送るユミ。
中間ターミナル駅。
駅ナカ書店に立ち寄ったユミは
新刊コーナーの、積まれた本に手を伸ばす。
そこに伸びる男性の手。
ユミは手の主に目を向けると、
あの眼鏡男子!
二人は一瞬ぎごちなく固まる。
新刊書の表紙イラストの女性は微笑んでいる。
並行区間で橙色の電車が同じ方向に向かって、両電車が抜きつ抜かれつ並走している。
青い電車内のドア脇に立つユミが文庫本を読んでいる。ユミがふと目を上げると、並走中の電車のドア脇に立っている若い男性と目が合う。眼鏡男子。彼も文庫本を読んでいる。
あれ?彼、最近もあの線に乗ってるの見たよ。そのときも文庫本読んでた。たしか。
偶然、彼はカバーを外して表紙をこちらに向ける。ユミもカバーをはずして表紙を見せる。彼は伏し目がちに微笑む。ユミはふいに目をそらす。
眼鏡男子の電車は速度を上げて急いで去る。
見送るユミ。
中間ターミナル駅。
駅ナカ書店に立ち寄ったユミは
新刊コーナーの、積まれた本に手を伸ばす。
そこに伸びる男性の手。
ユミは手の主に目を向けると、
あの眼鏡男子!
二人は一瞬ぎごちなく固まる。
新刊書の表紙イラストの女性は微笑んでいる。
青春
公開:21/03/15 00:14
更新:21/03/15 00:20
更新:21/03/15 00:20
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