圧迫面接

圧迫面接をされることで有名なA社の面接当日。
自分より一つ前に入室した学生が泣きながら部屋から出てきたのを見て、緊張しながら部屋に入ると、固い表情の面接官が一人。
かなり身構えたが、いざ面接が始まると面接官は話しやすく、聞かれる内容も至って普通だった。
どこが圧迫面接なのだろうかと不思議に思っていると、突然、部屋の壁が大きな音を立てて動き始めた。
何事かと周囲を見渡すと、壁が徐々にこちらに向かって迫ってきている。
唖然として面接官の方を見たが、面接官は平然と質問を投げかけてきている。必死に面接の中断を訴えたが、一切取り合ってくれない。仕方なく、質問に答えてやり取りを続けた。
その間にも壁は迫り、ついに両肩が壁に触れ、押しつぶされそうになったその時、面接官が言った。
「合格。今日、逃げなかったのはあなただけですよ。」
その場では喜んでしまったが、こんな会社には入りたくないので後で辞退した。