門番さん

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いつも通る散歩道沿いに和風造りの大きな家がある。敷地も広く家の玄関は奥に見えるが、道路側は門構えになっている。
門の前には何時頃からか門番らしき人が立っている。これだけの邸宅だから警備も厳重なのだなと思い、余りジロジロ見ずにサッサと通り過ぎていた。
今日前を通ると何気に門番さんと目が合った、あれ人だとズート思ってたけど違うようだ。気になったので足を止め、振り返ってもう一度よく見てみた。
なんと制服帽子としっかりした服装だが、敬礼した恰好で手の裏が見えた。
えェ、犬の肉球だ、門番さんは人ではなく番犬さんだ!
びっくりしてどうしたのですかと事情を聞くと、「実は私が川で溺れかかっていた時、ここの御主人様がたまたま魚釣りに来ておられ助けて頂いたのです。」
「そのまま連れて帰って下さり、それ以来何か恩返しがしたく門番を申し入れたところ、ご承認頂き以来正式に警備担当責任者をしております、ワン。」
ファンタジー
公開:21/03/16 06:18

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