羽根の追憶

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通勤途中の一人の男性を、街路樹の梢から見つめる一羽の白い鳩。
男性はアラフォーと呼ばれている年齢になっていた。
子供の頃、ハトが好きな幼馴染の女の子がいた。ハトを見るたび、若くして病で亡くなったその子のことを思い出していた。
最近、昼休みの公園で見かけるようになった白い鳩。ベンチに腰かけて、ドラッグストアで買った、おにぎりやサンドウィッチのひとかけらをちぎってはあげることがいつしか日課になっていた。ふと男性の視界に女性の靴がとおりすぎると、ハンカチが落ちた。男性は過ぎ去ってゆく女性に声をかけてハンカチを渡した。
振り返った女性を見て思わず息をのんだ。ハトが好きだったあの子の面影があった。
ハンカチが落ちていた場所には白い羽根が一枚、風に吹かれて飛んでいった。
その他
公開:21/03/13 21:13
更新:21/05/09 22:03
ハト 羽根 追憶

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

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