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「お試しになってください」
営業マンの井坂は、県の課長宮沢に金属チップを出した。宮沢の相好が思わずほころぶ。
「楽しみだねえ」
宮沢は遠慮無く井坂の手から5ミリ四方くらいの金属チップを受け取り自分の後頭部の差し込み口を探って差し込むと少しの間、目が宙を泳ぐような恍惚とした表情を浮かべる。
「いいねこれ。こういう思い出が好きなんだよ。甘酸っぱいねぇ……。苦い思い出なんて、いらねえよな。そのほうがリアルだからとか言うヤツもいるけど。俺は断然、こういうのがイイヨ。『安心して浸り込める記憶』。そういうのが一番だよ。……しかしこれ、ほんとにイイナ。シチュエーションがいいし、結末も最高じゃない」
「でしょう?どうぞ課長の思い出コレクションに加えてください」
「いいの?いつも、いい思いさせてもらって悪いね」
「課長にはお世話になってますから」
「次の県発注。奮発しとくよ」
「ありがとうございます」
営業マンの井坂は、県の課長宮沢に金属チップを出した。宮沢の相好が思わずほころぶ。
「楽しみだねえ」
宮沢は遠慮無く井坂の手から5ミリ四方くらいの金属チップを受け取り自分の後頭部の差し込み口を探って差し込むと少しの間、目が宙を泳ぐような恍惚とした表情を浮かべる。
「いいねこれ。こういう思い出が好きなんだよ。甘酸っぱいねぇ……。苦い思い出なんて、いらねえよな。そのほうがリアルだからとか言うヤツもいるけど。俺は断然、こういうのがイイヨ。『安心して浸り込める記憶』。そういうのが一番だよ。……しかしこれ、ほんとにイイナ。シチュエーションがいいし、結末も最高じゃない」
「でしょう?どうぞ課長の思い出コレクションに加えてください」
「いいの?いつも、いい思いさせてもらって悪いね」
「課長にはお世話になってますから」
「次の県発注。奮発しとくよ」
「ありがとうございます」
SF
公開:21/03/14 15:40
読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。
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