終身なる安寧とした生活

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部屋はコンクリートの打ちっぱなしで窓はない。狭くはないが殺風景だ。ベットにテレビ、それにトレーニング器具のようなものがいくつか置いてあるだけ。最初こそ試してみたが、腰を痛めてすぐやめた。
食事は1日3回定期的に運ばれてくる。基本的には毎日同じメニューだが、週に1日は気を利かせてか特別メニューが出るようだ。そんな食事がほぼ唯一の楽しみだ。
昔は部屋に若い女が現れたこともあった。反応らしい反応がない女で、誰が見ているわけでもないので、好きなようにさせてもらった。しばらくして妊娠したら、またどこかへ消えてしまった。
ここの生活は何せ平穏で安寧としている。働けと駆り立てるものも、命を脅かす存在もない。だだ時間を消費することだけが私の使命のようだ。

あの日、私はUFOにとらえられた。
それ以来、私の生活はずっとこの調子だ。

おそらく命の尽きるまで、私はこの部屋の中で過ごすのだ。
SF
公開:21/03/14 15:03

たけのこ

たけのこです。
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