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彼がドアを開けると皆が色めき立つ。
今夜 選ばれるのを待っているのは私だけではない。
彼は皆を取っ替え引っ替えして楽しむ。
常に選ぶ側だから、選ばれない虚しさなど想像もしないだろう。
出会いは1年前。まっすぐ私を見て「一目惚れだ」と言った。
その日、彼のものになったのに、彼には私だけじゃなかった。
肌を合わせたのは数回だけ。あの温もりが狂おしいほど恋しい。
いっそ他の誰かのものになれたら、どれほど楽か。
でも私には、それができない。
ふと彼が私に気づき、例の甘い声で「決めた」と囁いた。
ああ、この瞬間を待っていたの。
今夜 また彼の肌と匂いを独り占めできる。
「支度できた?」
見知らぬ女が入ってきた。
彼は私を抱き寄せて「今夜はコイツにする」と言った。
女は眉をひそめ「ダサい」と言うと、私の隣に手を伸ばし
「こっちが似合う」と彼に押し付けた。
私は今夜も暗いクローゼットに取り残される。
今夜 選ばれるのを待っているのは私だけではない。
彼は皆を取っ替え引っ替えして楽しむ。
常に選ぶ側だから、選ばれない虚しさなど想像もしないだろう。
出会いは1年前。まっすぐ私を見て「一目惚れだ」と言った。
その日、彼のものになったのに、彼には私だけじゃなかった。
肌を合わせたのは数回だけ。あの温もりが狂おしいほど恋しい。
いっそ他の誰かのものになれたら、どれほど楽か。
でも私には、それができない。
ふと彼が私に気づき、例の甘い声で「決めた」と囁いた。
ああ、この瞬間を待っていたの。
今夜 また彼の肌と匂いを独り占めできる。
「支度できた?」
見知らぬ女が入ってきた。
彼は私を抱き寄せて「今夜はコイツにする」と言った。
女は眉をひそめ「ダサい」と言うと、私の隣に手を伸ばし
「こっちが似合う」と彼に押し付けた。
私は今夜も暗いクローゼットに取り残される。
その他
公開:21/01/05 22:08
更新:21/01/06 15:06
更新:21/01/06 15:06
初めまして、香霖(かりん)です。
下手な文もイラストも書(描)いてるうちに上手くなると信じて
恥をかき捨てていきます。
常温の眼差しで大目に見て下さると幸いです。
よろしくお願いします。^ ^
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