Ⅰ.035 老舗事務所の探偵たち~守秘~

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「長引いてますね。こじれてるんでしょうか?」
「いや、あれは…」
 ああ、多分。
「あの、蒼猫さんって所属は"パンサーパルム"ですよね?」
「そうだ」
「ドンは確か、上位貴族のラヴィラ・ミルフィス伯ですよね?」
「そうだ」
「姿も性別も明かしてない徹底秘密主義の方ですよね?」
「そうだ。そこの怪盗の情報が記者に漏洩した訳だ」
「でも、彼女は受付だし、そこまで厳しくは…」
「いや、ばっちり秘匿契約してる」
「わん」
「マジですか?」
「ああ。ばっちり契約違反になる」
「上位貴族相手に、契約違反ですか…」
「…うん?何か呼んでるぞ」
「え、僕ですか?」
 羽でちょいちょいと記者を招く受付。少し言葉を交わすとトトが戻ってきた。心なしかミスコがさらに涙目になっている。
「何話したんだ?」
「ペンを折ってくださいと言われました」
 記者辞めろとな。
「受けたのか?」
「お断りしました」
 当然だな。
ファンタジー
公開:21/01/05 20:56
ファンタジー 連載 探偵 怪盗

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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