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〈今度の正月はコロナが心配だから帰らない〉
そう両親に伝えたら実家から大きな荷物が送られてきた。これは…ARキット?
元旦、暇だったので説明書に従い部屋に装着していく。試しに起動してみた。
ブーン…という音と共に早速誰かが投影される。
『勝?元気にしとるか?』
親父!?
『今年は帰って来れんと聞いたから、せめてARで会えんかと思ってな。一緒にスーツが入っているだろう。まずはそれを着ろ』
親父に従いダイバースーツのようなそれを着る。背中を誰かに叩かれた。
振り返ると母がいた。
『驚いた?それはね、電気信号を送る事で遠隔でも触れ合えているような感覚にしてくれるスーツよ。良かった…仮想でもあなたに触れられて…』
そう言って頭を優しく撫でられる感覚。凄く不思議だ。
『あとそろそろおせち料理が届くぞ。リモートだが一緒に食おう』
父の言葉通り宅配がやってきた。
今年の正月は離れていても繋がりを感じた。
SF
公開:21/01/05 20:17
全て現実にある技術

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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