三題噺(猿、穴、土鍋)
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あーれー!
猿吉は頭から真っ逆さまに地獄の穴に落ちた。お地蔵様へのお供え物の団子を盗み食いしたからだ。でもね、猿吉は一週間何も食べてなかったのさ。ばあさんの薬を買ったら金が尽きてしまったのだ。
ばたん!
落ちたのは閻魔様の手のひらだった。「わはは。ちょうどいいのが落ちてきたわい。」
閻魔様は罪人が詰め込まれた土鍋の中に猿吉をほおりこもうとした。
「待ってくだせえ、閻魔様。わしなんかよりもっとうめぇものがありますよって。」
猿吉は胸元に隠していた焼き団子を閻魔様の鼻の穴目掛けて投げた。
すぽん。
団子で鼻を塞がれた閻魔様は息ができなくなりさあ大変。悶え苦しむその隙に、猿吉は地上の穴を目指して壁をよじ登る。
すると、上から黄金に光る仏様の大きな手が猿吉を捕まえて家に帰した。
「お前の優しさを見過ごした私を赦しておくれ。」仏様はお詫びにばあさまの病気を治したとさ。
めでたしめでたし。
猿吉は頭から真っ逆さまに地獄の穴に落ちた。お地蔵様へのお供え物の団子を盗み食いしたからだ。でもね、猿吉は一週間何も食べてなかったのさ。ばあさんの薬を買ったら金が尽きてしまったのだ。
ばたん!
落ちたのは閻魔様の手のひらだった。「わはは。ちょうどいいのが落ちてきたわい。」
閻魔様は罪人が詰め込まれた土鍋の中に猿吉をほおりこもうとした。
「待ってくだせえ、閻魔様。わしなんかよりもっとうめぇものがありますよって。」
猿吉は胸元に隠していた焼き団子を閻魔様の鼻の穴目掛けて投げた。
すぽん。
団子で鼻を塞がれた閻魔様は息ができなくなりさあ大変。悶え苦しむその隙に、猿吉は地上の穴を目指して壁をよじ登る。
すると、上から黄金に光る仏様の大きな手が猿吉を捕まえて家に帰した。
「お前の優しさを見過ごした私を赦しておくれ。」仏様はお詫びにばあさまの病気を治したとさ。
めでたしめでたし。
その他
公開:21/01/06 00:10
頭の体操
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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