かえる、ひといき。

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「ホットケーキは、ありますか?」「ええ。創業時からのメニューでございます」
しばらくすると店主は『どうぞ』と目配せするようにココアと、ホットケーキを静かにテーブルへと置いた。

銀色の磨き上げられたフォークで、甘い湯気とともにそれをはくっと口にする。繊細な甘さの生地をはふはふ食むと、バターの雄大な牛乳の風味とメープルシロップのコクのある苦味が滲む。
「ふぅ。」
もう一口食べようとした時。
ふたくちみくちでたべられそうだったほっとけーきがなんだかおおきくみえた。ぼくはおそでをまくった。ふかふかとあまいでほっぺたはりすのほおぶくろみたいになったけれど、すぐにぺったんこになった。もぐもぐ。もぐもぐ。
「ふぅ。」
口にしたカップのココアに映るのは、いつもと変わらぬ僕だった。


「いかがでしたか?」「美味しかったです。まるで、子どもに戻ったかのように」
「ひといきつくのも、良いものでしょう?」
その他
公開:21/01/05 00:24
更新:21/05/08 03:29

真月。

ご覧いただき ありがとうございます。
よろしかったら読んでみてください。
作品の絵も自身で描いております。

コメントや☆など とてもありがたく思っております。ありがとうございます。
のほんとしたお話や癒しとなっていただけるようなお話を描けたらと思っております。

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