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「人気バンドのKが亡くなってから様子が変なのよ」
電話の向こうの伯母は涙声だ。
「眠れないみたいで食欲もないの。後追いしないかと心配で」
私と従姉は趣味が似ていて共にKの大ファンだ。
悲しいのは私も同じ。気持ちは痛いほど分かるが死なせる訳にはいかない。
私は従姉の家へと急いだ。
「毎夜Kが訪ねてくるの。言葉はなくても私たちの心は通じ合ってる」
やせ細って変わり果てた従姉のうっとりした表情に、私は声を荒げる。
「目を覚まして。そんな訳ないじゃない」
従姉が反論する。「誰も私たちの仲を引き裂けないからね」
私も言い返す。「Kは私のとこにも来てるの。心が通じ合ってるのは私」
従姉の顔が驚きと嫉妬で歪む。「殺してやる」
「殺して。そしたら永遠にKと一緒にいられるから」
従姉はハッとして伸ばしかけた手を止める。
「ダメ。死なせない。Kは私のものよ」
その夜、Kは現れず、私たちは朝まで睨み合っていた。
電話の向こうの伯母は涙声だ。
「眠れないみたいで食欲もないの。後追いしないかと心配で」
私と従姉は趣味が似ていて共にKの大ファンだ。
悲しいのは私も同じ。気持ちは痛いほど分かるが死なせる訳にはいかない。
私は従姉の家へと急いだ。
「毎夜Kが訪ねてくるの。言葉はなくても私たちの心は通じ合ってる」
やせ細って変わり果てた従姉のうっとりした表情に、私は声を荒げる。
「目を覚まして。そんな訳ないじゃない」
従姉が反論する。「誰も私たちの仲を引き裂けないからね」
私も言い返す。「Kは私のとこにも来てるの。心が通じ合ってるのは私」
従姉の顔が驚きと嫉妬で歪む。「殺してやる」
「殺して。そしたら永遠にKと一緒にいられるから」
従姉はハッとして伸ばしかけた手を止める。
「ダメ。死なせない。Kは私のものよ」
その夜、Kは現れず、私たちは朝まで睨み合っていた。
その他
公開:21/01/04 19:18
更新:21/01/04 19:48
更新:21/01/04 19:48
初めまして、香霖(かりん)です。
下手な文もイラストも書(描)いてるうちに上手くなると信じて
恥をかき捨てていきます。
常温の眼差しで大目に見て下さると幸いです。
よろしくお願いします。^ ^
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