万画鏡(まんがきょう)

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ある国の王子は本を読むことが好きで、沢山の本を読んでは知識を吸収していた。 ついには自分の国中の本をすべて詠んでしまい、近隣の国の本もすべて読破してしまった。そこで王子は「誰か! 旅の者でも誰でもいいから、新しい本をを持っている者はいないか探してこい」と命令を出した。

するととある行商人が『万画鏡』なるものを持ってきた。 それは筒形で、表は金や銀の糸で美しい装飾が施されていた。使い方は遠眼鏡のように覗き、くるくると回すのだという。 早速、王子は試しに覗いてくるくると回してみた。

すると、なんということだろう!中にある文字と絵が色を変え、形をかえて、分かりやすく話が進んで行く。 まるで芝居を見ているかのようだ。
王子は思った。 こんな素晴らしいものを一人締めして見るのは勿体無い。 何とかして皆と共有出来ないものか…そして閃いた。筒の中の物を平たくし、本の形に作り替えればいいじゃないかと。
その他
公開:21/01/02 04:51

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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