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僕は知っている。
父が夜な夜な、こっそり財布の中身を数えてほくそ笑んでいることを。

僕は知っている。
母が夜な夜な、隠れて一人鍋をしていることを。

両親は知っている。
僕が夜な夜な、テレビゲームをしていることを。

けれど、両親は僕の本当の秘密を知らない。
僕が両親の秘密を知っているなんてことにも気付かず、今日もそれぞれの部屋で夜を過ごす。

「そろそろだな」
僕はいつものようにテレビのスイッチを押し、ヘッドフォンをつけた。

画面には相変わらず、父のにんまりとした顔が映り、ヘッドフォンからは「フーッ、フーッ」と言う母の声が聞こえた。

僕は知っている。何でも知っている。
ホラー
公開:21/01/01 21:04

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