柴子のコンチキたぬき噺・其の弐 ~こんなあっしでよかったら

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「ようタヌ公、邪魔するぜ」
「これはお狐様、おめでとうござんす。わざわざお運びたぁ、お珍しい」
「正月てえのに例の疫病でこっちの社も閑古鳥。ウカノミタマ様がすっかりしょげけえっちまってな。どうしたもんかと思ってよ」
「それはご心配なこって。得意の蕎麦は大晦日の晩に献上しちまいましたしねえ」
「おう、大層喜んでたぜ。でもおめえには悪いが、また蕎麦ってのもなあ」
突然狸がぱっと顔を輝かせた。
「お狐様、あっしに任せとくんなさい。どうぞお社にお戻りを」
「おっ、なんでえ」
「いいからいいから」

翌朝、ウカノミタマ様は外を覗いて驚いた。境内は大勢の人がぎっしり列をなし、酒樽は開けるわ餅は投げるわの大賑わい。寂しかったウカノミタマ様は大喜びだ。
「タヌ公の奴、仲間集めて片っ端から化けさせやぁったな。まだ尻尾の消せねえガキまで連れて…ありがとうよ」
白狐は目を瞬かせると、御神酒をぐっと呑み干した。
その他
公開:21/01/02 22:26
更新:21/01/06 19:55
あけましておめでとうございます 今年もよろしくお願い致します 柴子のコンチキたぬき噺・其の弍 早く落ち着くことを願って #104

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
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【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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