作文請負鉛筆

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アイデァも出ず文も進まない、息抜きに散歩にでると昭和風の文房具店があり入ってみた。すると作文請負鉛筆というのが並べてあった。
赤色は原稿5枚用、青色は3枚用、緑色は1枚用とあり、正しくSSGには緑色がどんぴっしゃだ。
早速緑色を手に取り、これ一本下さいと言うと、あいよ千円だよ。
えェ、高ッと口から出かかったが黙って買った。これでSSがすらすら書けたら儲けものだとも思った。
帰って原稿を前に緑色鉛筆を右手に持つや、鉛筆が勝手に動きだした。自分は手を添えるだけで、3分であっという間に出来上がった。
でも読んでみると内容は最悪だ。主人公は怠け者で何をやっても失敗の連続で、会社も2日も持たず首になるという話。
こんな人生、人に合わす顔も無い、穴があったら入りたいと言ったら、突然暗闇の悪臭の中にいた。そこは田んぼの肥溜めだった。と言うオチだ。
汚いだけでお粗末なストーリーだと、驚いた。
その他
公開:21/01/02 21:30

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