大人になるってこと

僕らは等しく夢を見る。
将来に何かしらのあこがれを抱き、そしてそれを夢という形で言葉にする。

例えば幼少期の何気ない一言で、例えば小学生の保護者参観か何かで、例えば高校生の三者面談で。

僕ら子供は将来について何かしら考えるだろう。けれど、その問題には答えなんてなく、僕らは答えのない問題にひたすら悩まされていたのだ。

そしてタイムオーバーが近づき、残り少ない時間で百点ではないにしろ自分が思った最適解を出す。ある人は夢を追いかけることを決意して、ある人は安定性を求めて手頃な大学に進学を決意する。

そして、出した答えを最適解だと信じて突き進む。
しかし、行き詰った時にふと考えるのだ。

将来、何をしているのだろうか。

その問いに大抵の人は今の職種や勉強していることについて答えるのだろう。
けれど僕は知っている。

何もしていない。
ただ暇が無くなって何かをしている気になっただけなんだ。