ひみつのおもち
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子供の頃、お正月に祖父母の家に行った。他にもたくさん親戚の人が来ていて、大人に囲まれて私は少し居心地が悪かったので、お年玉をもらった後で、私はこっそり居間から抜け出した。
祖父母の家は、幼かった私にはとても広かった。途中から居間へ戻る道が分からなくなって半泣き状態。
こっちへおいで
そんな声が聞こえたのは、その時だった。
声のする方へ進むと、裏庭に出た。そこでは、小さな女の子が、七輪で餅を焼いていた。私以外に子供はいなかったはずなのに。そう思っていたら、その子がお皿に焼き立てのお餅を乗せて私に差し出した。
「秘密だよ」
よくわからないまま頷いて、お餅を齧った。砂糖醤油があまじょっぱくて、焼き立てはとても美味しかった。
「それを食べたら、お帰りね」
気が付いたらその子はいなくなっていて、お父さんが私を呼びに来た。
(あれは神様だったのかな)
毎年正月になる度に、私はそのことを思い出す。
祖父母の家は、幼かった私にはとても広かった。途中から居間へ戻る道が分からなくなって半泣き状態。
こっちへおいで
そんな声が聞こえたのは、その時だった。
声のする方へ進むと、裏庭に出た。そこでは、小さな女の子が、七輪で餅を焼いていた。私以外に子供はいなかったはずなのに。そう思っていたら、その子がお皿に焼き立てのお餅を乗せて私に差し出した。
「秘密だよ」
よくわからないまま頷いて、お餅を齧った。砂糖醤油があまじょっぱくて、焼き立てはとても美味しかった。
「それを食べたら、お帰りね」
気が付いたらその子はいなくなっていて、お父さんが私を呼びに来た。
(あれは神様だったのかな)
毎年正月になる度に、私はそのことを思い出す。
その他
公開:21/01/02 11:57
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