むすんで、むすんで

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 「むすんで〜ひらいて〜。ねぇ、おじいちゃんも歌って!」
 「むすんで〜むすんで〜」


 「…むすんで、むすんで」
 四年前に亡くなったおじいちゃんの夢を見た。
 …あれ。どうして、おじいちゃんは、「むすんで むすんで」って歌っていたんだっけ?




 「sとsのじいちゃんは“ケツエン”がないんだよな、“ニセモノ”じゃん!」
 同級生と喧嘩をし、そう言われた。
 泣きながら家に帰り、おじいちゃんに尋ねた。
 「ねぇ、私とおじいちゃんは“ケツエン”がないの?だから、“ニセモノ”なの?」
 おじいちゃんは優しく言った。
 「血縁なんてなくても、大丈夫。じいちゃんが結んであげるから。おじいちゃんとsの“縁”をむすんで〜むすんで〜」




 ねぇ、おじいちゃん。血縁なんて関係ないね。おじいちゃんは、私にとって、ずっとずっと、最高のおじいちゃんだもん。
 おじいちゃん、結んでくれてありがとう。
その他
公開:20/12/31 22:10

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



note https://note.com/sumire_ssg

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