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予備。
それは私の夫が一番好きな言葉だ。
消耗品の予備は勿論、気に入った柄の湯呑みやセーターも予備を買う。電子レンジの予備を買おうとしたときは流石に「古くなるし、置く場所がないわよ」と止めた。
そんな夫が最近コソコソと携帯で誰かとやり取りをしている。ピンときて、証拠を掴んでやろうと興信所に調査を依頼することにした。
「夫の身辺を調べてほしいんです。ええ、予備の女と付き合っているに違いありませんわ。もしかしたら予備の家も…」
果たせるかな、私の勘は当たっていた。が、予備は女と家だけではなかった。私は唖然として興信所が送ってきた写真を眺めた。そこに映っている、もう一人の夫を。
『あなたの夫はクローン、つまり予備の方です。××興信所』
SF
公開:21/01/01 00:02
更新:21/01/01 00:05

ガラマイヤ( 日本 )

読んでくださりありがとうございます。
小学生の頃、「世界中の本をぜんぶ読んでしまったら退屈になるから、自分でお話を書けるようになりたいな」と思いました。
僭越ながら、子どもの頃の夢のまま、普段はショートショート作家を目指して、2000字くらいの公募に投稿しています。芽が出るといいな。
ここでは思いついたことをどんどん書いていこうと思います。
皆さまの作品とても楽しく拝読しています。毎日どなたかが更新されていて嬉しいですね。
よろしくお願いしますm(_ _)m
*2020.2〜育児のため更新や返信が遅れておりますが、そんな中でもお読みくださり、コメントくださり本当にありがとうございます!

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