時間のつぼみ

2
2

戦闘用アンドロイドとして生産された僕は不良品だった。
戦闘用アンドロイドなのに人を殺す事が出来ない。破壊行為を行えない。
戦場に立てない僕はせめてもと炊事洗濯掃除を極めた。しかし、誰も兵器にそれを求めない。
『他のアンドロイドにも悪影響が出るかもしれない』
そんな不安から僕の廃棄が決まった。
「なら、儂が引き取ろう。丁度頑丈な介護ロボが欲しかった」
将軍が僕を引き取った。その日から僕は付き人として将軍の下で働き始めた。
「いずれ戦争はなくなる。その時、君のようなアンドロイドが必ず必要になる」
将軍と将軍の家族だけが僕を兵器ではなく未来の良き隣人として受け入れてくれた。
兵器として咲く事のない蕾を抱えた僕。そんな僕に未来を見据え、兵器以外で花開く場所をくれた将軍。
世界は変わる。戦闘用アンドロイドはいつかその在り方を変える。
だからどうか、皆さんも変わった世界で僕の兄弟達を受け入れて下さい。
SF
公開:20/12/31 18:15

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容