縁引き

商店街を歩いていたら突然、「縁引き」の文字が飛び込んできた。…福引きじゃねーの？ 見た目は普通の福引きにしか見えない。その時ガラガラの前にいたおじさんが、俺に手招きをした。「縁引きて、何すか？」俺が尋ねると、「名前の通り！こいつを引けば、君の縁者が分かるんだ」おじさんは答えた。

ちなみに縁は恋愛に限らず、仕事や挑戦したいことがある時など、自分の節目に必要な「縁者」が引けるのだそう。ま、俺は彼女がほしいから恋愛の縁で。そう思ってガラガラを回すと…白色の玉が出て来た。「白ね！今から最初に出会う白い靴の子が縁者だ」おじさんはウインクした。軽っ！

しかしながら本当に出会ったその白い靴の子は俺のタイプで、勇気を出してナンパし成功、彼女にできた。しかし、価値観が全然合わない。

「そりゃ白、五等を引いちまったから。だんだん擦り合わせてく手間が必要よ」文句を言いに行く俺に、おじさんは朗らかに答えた。