時間のつぼみ

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最近の若い奴は自分が時間だって自覚が薄いんだよ。そんなんだから時計に就職した時、やれ進みが早いだの、やれ進みが遅いだの文句を言われる。
勇み足も悪くはないがペース配分を間違えると仕事を失うぞ。時計は決まったペースで決まった距離を進めばいい。無理はするな。
とはいえ、時間のつぼみ共にそんな説教しても聞きはしないか…俺も若い頃はそうだった。早く一人前になりたくて、多くの時計に入っては失敗したものさ…
そんな俺に気付きをくれたのは太陽だ。日時計に入ってしまえば、いくら俺が勇み足になろうとそれを影が引き留めてくれる。
太陽と影は俺に時間とは何たるか、大事なことを教えてくれたんだ。
だから俺は若い奴らには率先して日時計に入って欲しいと思う。まあ、退屈な仕事ではあるが1年もしたら、10年進み続けても狂わない時間になる事を保証しよう。
大きなのっぽの古時計として百年進み続けた俺が保証しよう。
ファンタジー
公開:20/12/30 19:47

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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