彼、メロン

「男、男ってどいつもこいつもくだらないなー」
男勝りのこの性格のせいか、私は生まれてこの方、恋愛をしたことがない。
そもそも、「恋に落ちる」だとか、「運命の相手」だとか…
そういうことを言っている人間は非常に人生を後悔していると思う。
皆さんには、こういう経験はないだろうか。
実家の飼い猫がしゃべりかけてきたり、昔から家にあるぬいぐるみがタイプの異性に見えてきたり．．．。
実家がメロン農家のせいか、私はメロンでその現象が起きる。

ある日、突然メロンが男性に姿を変え、私に話しかけてきたのだ。
最初こそびっくりしたが、私はしだいに彼らを受け入れていった。
メロンは変幻自在だ。
嬉しいときは、同学年の男の子に。悲しいときは年上のお兄さんに。
私は、この不思議な現象が嬉しかったので、恋愛に夢を見てる友達に教えてあげた。
友達は笑って、こういった。
「あんたが一番恋に執着しているじゃん」