コンセントプラグ

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「お、はよう…」
朝、騒がしい教室で僕の声は掻き消され、誰も僕を気にする様子はない。
それもそのはずだ。僕はまだこの学校に友達がいない。
「竹元!主電源抜けてるぞ!」
振り向くと、見たことのない立派な口髭を生やした先生がプラグを持って立っていた。
「腹に力入れてみろ!」
「はい…」
言われた通り、腹に力を入れるとベルトのあたりにコンセントが出てきた。驚いている僕を見て先生は微笑み、持っているプラグをそのコンセントに差し込んだ。
クラスメイトが輝く。よく見たら僕とコードで繋がっている。その光で周りがぱぁーと明るくなった。
「原動力は竹元自身なんだ。恥ずかしがるな。勇気を持って自分のしたい事を伝えてごらん」
光が眩しくなり目を閉じ開けると、先生は消え教室は元通りに戻っていた。
「おはよう!」僕は大きな声で挨拶をする。
あの先生とは校庭でまた会えたんだ。友達が出来たと報告したんだ、口髭の銅像に。
その他
公開:20/12/31 01:37
更新:20/12/31 23:12

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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