鈴木さん

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私は生まれた時から「鈴木さん」に助けられてきた。
母が私を産んだ時の産科医の苗字は鈴木さんだった。
私が幼稚園の時、幼稚園のバス乗り場まで連れて行ってくれたのは鈴木さよちゃんの親子だった。
小中学生の時、学校を欠席した私にプリントを持ってきてくれたり、ノートを見せてくれたのは鈴木弓子ちゃんだった。
高校生になってできた親友は上田久美子ちゃん。
久美子ちゃんとは進学先、就職先が違っても、私の悩みを聞いてくれたり、一緒に映画を観たり、買い物もした。
お互い20代半ばになった時、久美子ちゃんが私に婚約者を紹介してくれた。
彼の名前は鈴木大介。
そう、久美子ちゃんは未来の鈴木さんだったのだ。
その他
公開:20/12/29 09:41
更新:20/12/29 09:42

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