太宰府の男の子 世界で一つの守護

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太宰府天満宮で鷽鳥みくじを買ったことがある。当時は、可愛いね、おそろいだね、といったテンションで友人たちと買ったことを覚えている。あれから、思い出の品として、ずっと部屋に置いていた。

最近可愛らしい声が聞こえたのだ。部屋の中で。見渡すと赤いお面に剣を持った男の子がいた。聞けば、国民が泣いているから天神さんが縁あるとこ行って来いって使わせたそうな。ニコニコと飾ってある鷽鳥みくじを指さした。「君みたいにね、泣いてるとお化けにとって隙だらけになっちゃうから大丈夫のベールで包みに来た。」そう言って傷だらけの背中を包み、頭や耳に響く嘲笑も遮断した。「大丈夫、僕は君をしあわせにできるんだ」重厚感溢れる安定した、何千何万年と続いた安定した守護の声が体も心も芯から光を与えた。


僕の名前は筑後川。諸々別荘はあるけど、大宰府がおうちかな?どうか泣かないで。僕がいるよ。
ファンタジー
公開:20/12/29 17:49
更新:20/12/29 17:51

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