明日、雨が降ったら

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「春香。じゃ、今日もお願いね」
 そう言うと、私と妹の夏菜を降ろして母さんは車を走らせた。
 私の中学は目の前に夏菜の通う保育園がある。私は夏菜を保育園にあずけてから教室へ。
 この街は田舎だから行きつけのスーパーは1件。母さんの職場からだと自宅とは反対にあって、母さんは仕事が終わると先に買物するので保育園の迎えが遅くなる。だから、授業が終わると私が保育園に夏菜を迎えに行って一緒に帰る。
 でも、雨の日は傘をさして手を繋ぐと荷物は重いし危ないから母さんが車で迎えに行く。受験生の私は雨の日だけは夏菜から解放されて学校の図書室で勉強できた。放課後の図書室は受験を控えた3年生に解放してるけど、みんな塾や自宅で勉強するから使うのはいつも私と星野君だけ。
「明日、雨が降ったら…勇気を出して星野君に話しかけてみよう」

 今日も私は朝から空ばかり見てる。
「あ。雪…」

「明日…明日、雨が降ったら…」
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公開:20/12/28 00:11
更新:20/12/28 00:27

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

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