みずとき棒

0
3

弟と喧嘩した。もう二度と一緒に遊んでやるものか!
なんて思っていたけどやっぱり一人は寂しい…友達と遊ぶのもいいけど、やっぱり弟と一緒が一番楽しい。
俺らは自分から謝りたくない一心でお互いを意識し、微妙な距離を保ちながら小学校から帰っていた。
「坊や達、ちょっと手伝ってくれんか?」
困っているお婆さんに声をかけられた。
「この”みずとき棒”でこの水をかき混ぜて欲しいんじゃ」
暇だからいいけど。
弟と棒でかき混ぜる。水が思った以上に重く、しんどかったけど弟と息を合わせてかき混ぜるとかなり楽だった。
数分後には弟と掛け声をあげながらかき混ぜていた。
「もういいよ」
汗だくになった俺は弟とハイタッチした。
で、婆さん。これ何?
「何だろうねぇ?私の目的はアンタ達を仲直りさせる事だったからこれに意味はないよ。どうだい、みずとき棒は?怒りも時とともに水に流せただろう?」
婆さんは魔女みたく笑った。
公開:20/12/27 20:17

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容