私の夢

人は睡眠中、２時間は夢を見るらしい。映画約１本分に相当する。
私はそんな夢をしっかり覚えている。夢は面白い。記憶の整頓、なんて言われているが私はそうは思わない。だって夢の中、見た事もないものに出会い、行った事のない場所の風景を見る。夢は私に未知なる刺激を与えてくれる。
故に終わってしまう時はいつも悲しい…ずっと夢を見ていられたらいいのに…と思ってしまう。
「見ればいいじゃないか」
誰かが私に声をかけてきた。
「現実でも夢を見ればいい。現実の夢は、ここの夢と違って叶えられるんだよ」
私は首を振る。無理だ。海を泳ぐ象、空を泳ぐ鰯の大群、存在しない。存在しないものは叶えられない。
「それが叶えられるんだな。君が見ている夢は映画と同じだ。なら、その夢を現実で映画にすればいい」
その発想は…なかった。
「実は君が見ている夢は君のご両親が君に託した夢でもあるんだ。夢は寝ても覚めても人を繋げるものだよ」