占い師との縁

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目の前にいる占い師Oは、目を閉じて手を私の顔の前にかざし、プルプル振るわせている。「む!見えました!あなたの前世は騎士だ!」騎士?確かに私はナイフが大好きだ。人に言えない不気味な趣味だが、研ぎ澄まされた重たい光沢が何とも言えない。これは騎士の名残なのか?占い師Oは目を閉じたまま、まだ「霊視」を続けている。「あなたは、人を沢山殺してきた!残忍な騎士だったようです。そして宿敵がいました・・。そう、その宿敵とは・・・」その瞬間、占い師は恐怖で目をカッと開けた。何かに気が付いたようだ。既に私はカバンからナイフを既に取り出して占い師Oの喉元に突き付けている。そう、「お前」こそが宿敵さ。前世で宿敵だったお前を、今世でも殺してやろうとずっとずっと探していたんだよ。さっき目を瞑ってるアンタの顔を見て、過去世も宿敵のお間のことも、全部思い出した、ありがとよ。私は抜群の切れ味のナイフを思いきりふりかぶった。
公開:20/12/28 16:51
更新:20/12/28 16:58

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