ハスミ

ハスミとは、出会って２０年が経つ。初めて顔を合わせたのは、俺たちが小学５年生の時だ。色の白いかわいい娘、という第一印象を持った。もう春なのに、ハスミはジャンパーのそでに手を隠して寒そうにもじもじしていた。そんなハスミが男遊びを覚えたのは、中学２年頃だったと思う。色んな男と浮名を流し、それで先輩や同級生から睨まれて痛い目にあっていた。しかし、それで折れるハスミではなかった。高校に入っても奔放な生活を続け、２年の時に俺とも関係を持った。
「初めてじゃねえし」俺は必死に否定したが、ハスミにはお見通しだったと思う。
俺たちは付き合うことはなく、でも関係が切れることもなかった。俺に他に好きな娘ができると、相談に乗ってくれたり、放課後に待ち合わせしてカラオケに行ったりすることがあった。
大学時代も、社会人になって数年が経った今もたまに連絡を取って会っている。
これが腐れ縁ってやつかな。